結婚生活ってどんなだっけ

こんにちは。シングルマザーのRainyです。

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結婚生活ってどんなだっけ

「もう結婚は懲り懲り、ひとりでいるのが楽でいい」

いろんな人から、そんな言葉を聞いたことがある。もしかしたら、離婚経験者のマジョリティはそんなふうに思っていて、サンタさんにお父さんをお願いしてるようなへっぽこは私ぐらいしかいないのかもしれない。

最近、友人から借りた木皿泉さんの「昨日のカレー、明日のパン」という本を読んでいて「一人でいるのが楽」の気持ちがなんとなくわかるかも、という瞬間があった。

彼らは、他人との共同生活でできる「暮らし」に縛られるのが嫌なんじゃないかと思うのだ。

複数人で暮らしていると、自分の思いもよらないところに思いもよらないものが置かれていたり、と思えば「これはここに置く」などの細々とした決まりがいつの間にか出来上がってきたり。一緒くたに洗った洗濯物から同じ洗剤の香りがしたり。部屋の隅にもやもやと物が置いてあったり。カレーはこのお皿で食べる、とか、○○の箸はこれ、とか。そういう目に見えない「暮らしができ上がってしまうこと」に居心地の悪さとか、恐怖とか、そういう類の気持ちを感じるんじゃないかなあと思うのだ。

一緒に暮らす相手のことを全部知ってしまうのも、怖いのかもしれない。今日履いているあの靴下はいつどこで買ったんだよな、とか、行っている美容院はここで、この服はもう何年着てる、とか。昨日の晩ごはんはこれで、今朝はこれを食べて出かけたとかね。これは私も、なんとなくわかるなあと思う。

穂村弘さんという詩人のエッセイで「最初から全部わかってしまったら恋愛は冷めやすくなる」みたいなことが書いてあって、「命が絶える瞬間にお互いの名前を伝え合うぐらいがちょうどいいのでは」と書いてあったのを思い出す。死ぬときに名前を知るって言うのは極端で笑えるけど、感覚的にはめっちゃわかる。好きな人にはいつまでもミステリアスでいて欲しいけど、一緒に暮らしてたらそんなこと難しいもんね。ミステリアスなんてよっぽどの信頼関係が構築されていなければただの「疑い」とかいう騒がしいものになってしまうだろうし、現実的には。

まあ、今更選択肢もない自分に一人暮らしなんて想像し難いことだけれど、うーん。それでも、今から一人暮らしは寂しいかなあ、と思う。いくら何を自由にできても、その自由を一緒に共有できる相手や空間が欲しいなあって思うんじゃないかしら。ACの自分は人が怖くて仕方ないのに、不思議なものだなあと思う。

自分も結婚していたことはあったけれど、なんだか遠い昔のことのように感じて実感が湧かない。私の大好きだった旦那はもういないわけだし。わたしたちは、どんなふうに暮らしていたんだっけ。考えていて、ふとある光景を思い出した。自分の昇給のことを饒舌に語る元夫の後ろ姿、コップいっぱいの水を飲むときの「ゴクゴク」という喉の音。普段何も思わないそれらの行為を妙にみすぼらしく感じて、ああ、結婚生活ってこんなふうなのか、と心底落胆しことがあった。私はこの「ゴクゴク」と一緒にずっと暮らしていくのかしら。なんだかその「ずっと」が終わりのないもののように思えて、途方に暮れたのだった。

結婚している友達に聞くと、どこの家にもそういう現象はあるらしい。今は「ピュアな高校生!」みたいになってる痛いおばさんの私には、結婚しても、いつまでもおでこをくっつけあったり、手を繋いで眠るようなのが夫婦生活!のイメージだけど、夢見すぎかな。笑

結婚って、本当に、そんなに「ゴクゴク」としたものなんだろうか。

「Momoちゃんの年齢を考えたら、再婚は今のうちか、巣立ってからだよ!」と言われ、なんか色々考えてしまった。


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