「ありがたみわかり機」

こんにちは。シングルマザーのRainyです。

暴れ具合のとても良い我が家のフィッシュボーンカクタス
(なぜか写真がめっちゃオレンジ。)
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ありがたみわかり機

何週か前のサザエさんに「うちの旦那ったら!」「うちもよ!!」「えーそれ、何か隠してるわよー!」的な井戸端会議が繰り広げられているシーンがあった。井戸端会議をしている奥様たちはみんな専業主婦をしていて、夕飯の買い物に出かけた先で行き合ったという設定だ。各々が仕入れた大根、ネギ、白菜などの野菜が手持ちのかごから顔をのぞかせている。

このやりとりを聞きながら夕飯を食べていた私は、なんともいえない気分になってしまった。サザエさんの時代設定が「昭和(ときどき令和)」なのは周知の事実だが、専業主婦の奥様たちが旦那さんの協力態度についてあれこれと言い合いをしているのは時代錯誤も甚だしく、見るに堪えない感じだ。

シングルマザーがサザエさんの一話にめくじらを立てこうしてブログの記事まで書くようならば「そのエネルギーをもっと生産的なことに使い給え」というのがごもっともなのは百も承知なのだが、とにかくこのモヤモヤと追いやられた違和感を文字にして吐き出したかったのだ。

最近、Momoが「ありがたみわかり機」というドラえもんの道具について教えてくれることがあった。道具についたボタンを押しながら「ありがたみを実感したいものの名前」を唱えると、それがなくなった状況が再現されてありがたみを体験できる、というものらしい。例えばのび太くんは「空気」と言ってボタンを押したので、周囲の酸素がなくなって大変苦しい思いをし、空気のありがたみを知る、という経験をしたようだ。

さあ、サザエさんの奥様方に「ありがたみわかり機」を配って、ボタンを押しながら「主人」と言ってもらおう。

いつも洗濯物を裏返さずに放り込む困った主人はいなくなり、帰宅時間に合わせて揚げ物を用意する必要もないので、ストレスのない理想の暮らしが実現するだろう。ただし、父親がいなくなって悲しむ子供のフォローや事情の説明、子供の会話相手、切れてしまった高いところの電球交換、灯油の購入・運搬・補充、そして今まで父親に一任していた外での労働を請け負わなければならない。就職活動をする。保育園や学童を見つけて申し込む。勤務先は保育園や学童の位置とおり合いの良いところでなければならない。給与は家族の暮らしを成り立たせる程度の額必要だ。勤務が始まったら、朝は早よから子供と自分の身支度を済ませ、頭を下げて定時で上がり、これまた保育園と学童で頭を下げる。帰宅したらご飯を作り、食べさせ、子を風呂に入れて洗濯をする。ここまでノンストップでやって、寝かしつけるのは21時すぎだ。洗濯を干して明日の食べ物の仕込みをしたら、あとは自由時間。あんなに鬱陶しかった旦那は帰ってこないので、好きなドラマでも見て自由時間を満喫できるはず。

書いてみてスッキリするかと思ったら「ずいぶん意地悪なことを書いた」という実感だけが残った。ま、サザエさんたちの時代は「女が家を守るもの」というのが共通認識だっただろうし、女性の社会進出も進んでいなかったんだろうしね。私みたいないちシングルマザーが真っ赤な顔でキーボードを叩いてることの方がよっぽど恥ずかしいんですけど。

ただ、それが地上波にのっていて、(まだ物の分別がつかない)子供のアクセス可能な状態になっているのはなんだかなあと思う。「これは昭和という時代の話です」という設定でやっているならばいいのだけれどそういうわけでもないので。刷り込み教育的になってはいないかしら、と…。

ま、旦那さんがいないのは私の勝手な自己都合なのでこんなところにぐちぐち文句を書いて痛々しいこと甚だないですが。私は自分の責任は自分でとって、やると言ったことはやる強い女になるぞ。誰かに依存して暮らすことはもうしないと決めたんだから。

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