こんにちは。シングルマザーのRainyです。
以前も載せたことがあるオンラインの靴下屋さん「きびす堂」の靴下をリピート。2足で1,430円なので、1足あたり715円。生地もしっかりしていて良き買い物◎
靴下といえば、親友のおしゃれ夫婦を思い出す。彼らは結婚して10年にもなるのだが、誕生日とクリスマスは毎年、セレクトショップで「ちょっとお高めの靴下を贈り合う」のだと言う。
「ちょっとお高め」という特別感に「靴下」という生活感が絶妙にマッチしていて素敵だ。共に過ごしてきた十数年、その重みが「ちょっとお高めの靴下」に具現化されて「喧嘩もしたけど仲良くやってます」感を放つ。ああ、眩しい。彼らはその靴下で「季節の枝もの」が飾られた小洒落ルームを練り歩くのか、と思ってクラクラする。
「きびす堂」の小洒落靴下で8畳一間を練り歩いている自分にも、「誰かと靴下を贈り合う」などのあたたかな日々が来ることはあるのだろうか、と考える。結婚してから10年、「結婚を前提としたお付き合い」に2年、相手を見つけるのに3年、と考えると、8畳間の今から最短で15年は必要だと推定される。
今年34になる自分は、15年後49歳だ。49歳、と思って愕然とする。イトーヨーカドーの3階で冠婚葬祭用の靴下を選び合っている自分が浮かんで、小洒落の『こ』の字もないじゃないかと思う。
そして、その前にそもそも相手がいないし、と思い直す。
ウォーリーを探せ
職場の人に突然、「見〜つけた!」と言われる。あら私、また何かやらかしたかしら?とマゴマゴしていると「その格好なんなの。」と言われる。
改めて自分を見てみると、赤いボーダーにジーンズ、赤い毛糸の帽子までかぶっていて、なるほど確かに、ウォーリーである。
適当にぶん投げてあったボーダーにいつものジーンズを履いて、寝癖隠しの帽子を被ったらこうなったんです、と言いかけて「さすが。よく気づきましたね」と知的ぶる。
結局「ウォーリー」とか「赤いポパイ(注:50代以上)」とか呼ばれ続けて1日がすぎた。夕方、勤務先の女将さん(御歳80なんぼ)と出くわす。「あらあなた、赤い服も着るのね」と言われる。ありがとう女将さん、今日1日で私を人間扱いしてくれたのはあなただけですと思って涙がこぼれる。
「私、30代の頃に仕立ててもらった赤いコートがあるのよ。貰い手もいないので困っていたのだけれどいる?」
言うが早いか5分もせずに戻ってきた女将さんの手には、なんとも上質な真紅のロングコート。裏には苗字の刺繍も入っていて、裏地と表地の境目のところには「藤の花」のような飾り縫いがしてある(調べたところ、「ルーシング」というのだそう)。
「羽織ってみなされ」と言われるままに試着し「ピッタリだからあなたにあげるわ」と、いくらしたのかもわからない素敵なコートをもらってしまった。
試着中に常連さんが来たので、真っ赤なままで接客をする。と、「ところでその格好、なんなのw」と突っ込まれた。「その格好にランドセル背負ったら完璧だね、明日学校頑張って」と言って、お客さんはフワワ〜と部屋へ行ってしまった。
私が着ているのはオーダーメイドの高級コートだぞ!と、後ろ姿に向かって心の中で言い返す。「小学生」って。まったく、客観的意見は的確で、反論の余地もないのだから!
この調子だと。8畳間のウォーリーが小洒落靴下にたどり着くまでには、きっと15年じゃ済まないなあと思う。
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