こんにちは。シングルマザーのRainyです。
放送大学大学院の修士課程について検索して来られる方が多いようなので、私の体験談をまとめておきたいと思います。以前に書いたまとめがあまりに読みづらいので書き直しです。笑
プロフィール
・30代シングルマザー
・子供:7歳・自閉症スペクトラム
・職業:ビジネスホテルの管理人
(勤務時間: 21:00〜翌8:30)
・住居:娘とふたりで住込み・賄いつき
・収入:手取り20万円・養育費なし
・特技:英語(TOEIC: 875/IELTS: 6.5)
経歴
・機能不全家族に育つ
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・東京の私立大学を卒業(英文学専攻)
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・東京でOLになる。在職中に結婚・出産。
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・夫のAV出演が発覚
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・半年間の別居
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・地元で研究機関の通訳職に就く。
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・裁判を経て離婚成立。
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・研究者になることを決意し現職に転職。
・2022年4月から「修士選科生」に。
・「修士全科生」の試験を受験→合格。
放送大学大学院(修士課程)に進もうと思った理由
別居中に始めた仕事が、研究機関の通訳職でした。そこで研究職の魅力を知ると共に、自分の特技である「英語」が研究の世界でも活かせること、社会に出てから勉学の世界に戻ってくる人も多いということ(特に外国人)、40代や50代で大学院に通う人も多くいる、ということを知りました。
経歴にも書いた通り、これまでの私の人生はわりと波瀾万丈でした。もっと言うと、常に「家族の問題」に悩む30年間だったと思います。
被虐待経験者・離婚経験者・シングルマザー・配偶者と子の発達障害…そんな、色々を経験した「当事者」として研究の道に進みたい!それが自分に与えられた試練の本当の意味だったのでは!と思うようになりました。
そして、そう思うようになってから、今までの出来事を悲観することがなくなりました。
変に行動力だけはある私。3ヶ月後には学業と両立しやすい仕事に転職し、大学院の受講料を賄うための給付金に申し込み、4ヶ月後には放送大学大学院の修士選科生になりました。2022年4月のことです。
修士全科生、修士選科生、修士科目生の違いは?
放送大学大学院(修士課程)には、3種類の在籍方法があります。各学生種別の違いは下記の表の通りです。
修士全科生 | 修士選科生 | 修士科目生 | |
学位付与 | あり 修士(学術) | なし | なし |
在学期間 | 2年〜5年 | 1年間 (2学期間) | 半年間 |
出願期間 | 年1回 (8月下旬) | 年2回 4月入学: 11月下旬〜3月中旬 10月入学: 6月中旬〜9中旬 | 修士選科生と同じ |
入学試験 | あり 一次:筆記 二次:面接 | 書類選考のみ | 書類選考のみ |
入学検定料 | 30,000円 | なし | なし |
入学料 | 48,000円 | 18,000円 | 14,000円 |
授業料 | 1単位あたり11,000円 | 1単位あたり11,000円 | 1単位あたり11,000円 |
研究指導料 | 1年間につき88,000円 | ー | ー |
給付金等 | 北野生涯教育振興会 (奨学金) | 教育訓練給付* ひとり親自立支援教育訓練給付金* | 教育訓練給付* ひとり親自立支援教育訓練給付金* |
一見複雑に見えますが、「全科生=学位の付与あり」「選科・科目生=単位の付与のみ」というのが違いです。
全科生は学位の付与があるため、入学試験や研究指導(修士論文の執筆)があります。
ちなみに、選科生・科目生として取得した単位は、全科生となった際に引き継ぐことができます。
そのため、趣味で講義を受講して、単位が溜まってきたから全科生を受験しようかなあ?という人も多いようですよ。
社会人大学院生ってどれぐらい大変?
全科生になるのはこれからなので、選科生としての経験を書いておきます。
まず私は1年目に選科生として必要単位を全て取得し、2・3年目の2年間は論文執筆に専念するという3ヵ年計画を立てました。理由は、フルタイムジョブ+講義+研究はいくらなんでも無理!と思ったから。
講義は、オンラインで受講することができます。学期内は全ての講義がポータル内で公開されているので、曜日や時間に縛られず、いつでも好きな時に受講できます。
さて、私がどんな感じで講義を受講したかを表にまとめてみます。
学期 | 講義名 | 単位数 | 評価 | 単位取得 |
前期 | 臨床心理学特論 | 4 | マルA | ○ |
臨床心理面接学特論I | 2 | マルA | ○ | |
臨床心理面接学特論II | 2 | マルA | ○ | |
臨床心理学研究法特論 | 2 | マルA | ○ | |
心理・教育統計法特論 | 2 | マルA | ○ | |
発達心理学特論 | 2 | マルA | ○ | |
後期 | 学校臨床心理学特論 | 2 | マルA | ○ |
現代社会心理学特論 | 2 | マルA | ○ | |
障害児・障害者心理学特論 | 2 | マルA | ○ | |
臨床心理地域援助特論 | 2 | マルA | ○ | |
取得単位数(合計) | 22 |
前期に6科目(14単位)・後期に4科目(8単位)を受講し、1年間で22単位を取得しました。研究指導以外に取得すべき最低単位数(22)を取り終えたということになります。
ただ、今振り返ると、フルタイムワーカーで14単位は取りすぎたというのが感想。7月に行われる単位認定試験の直前は習い事のヨガを休みまくって、なんとかやり遂げた!という感じでした。
ちなみに、選科生として1年間在籍する場合、前期で落とした科目は後期に再履修することができます。追加の受講料もかからないので、重たい科目ほど前期で履修しておくのがお得かなと思います。
臨床心理プログラムで言えば、下記の科目はぜひ、前期のうちに履修しておいた方がいいと思います。
臨床心理学特論:
臨床心理学の概論を学べる。4単位30講義もあり重たい!
心理・教育統計法特論:
高校数学みたいな内容。文系出身の私は難しすぎて苦労しました。
臨床心理学研究法特論:
在籍中に全科生に出願する予定がある場合、研究計画書を書く際の参考になるので受講しておいた方がいいです。
前期の試験は7月下旬、後期は1月下旬に行われます。コロナ禍の現在は、オンライン自宅受験が基本となっています。試験期間中であればいつでも好きな時に受験することができます。
仕事の繁忙期や受験の有無などそれぞれの事情があると思うので、無理なく履修することをお勧めします。
実際どれぐらい勉強したか
選科生としては、一日平均4時間〜ぐらい勉強していたかなと思います。私の場合は夜間の待機中や日中がまるっと勉強に使えるので、時間の確保に関してはそこまで苦労しませんでした。日勤で働いている方の場合はそこが大変かもしれません。
多くの授業は「先生が教科書をそのまま読み上げる」というスタイルなので、音声は聞かず教科書だけ持ち歩いて隙間時間に勉強する、というやり方でも十分だと思います。
単位認定試験も、ほとんどの教科が「教科書の文章をそのまま引用した選択問題」なので、教科書と過去問さえ勉強しておけば大丈夫です。
単位認定には、①各学期の半ばに行われる小テスト(10問程度)を受験し、②学期末に行われる単位認定試験(10〜15問程度)でC以上をとる必要があります。
評価の指標は以下を参照。

給付金はどうやって申請するの?
社会情報経営プログラム、臨床心理プログラムの講義を修士選科生・科目生として受講する場合、雇用保険の「教育訓練給付制度(一般訓練)」や「ひとり親自立支援教育訓練給付金」の対象となる場合があります。
詳しくはこちらの記事に書いてあるのでご覧ください。
修士全科生(出願)
続いて、修士全科生になるための道のりについて書いていきます。
全科生になるためには、検定料30,000円の納入と、8月下旬の期日までの出願が必要です。
提出するものは↓です。④〜⑥以外はオンラインでの提出も可となっています。
①出願票(履歴書みたいなもの)
②研究計画書(1000字)
③志望理由書(700字)
④出身大学の卒業証明書(原本)
⑤出身大学の成績証明書(原本)
⑥検定料の領収書(原本)
①の出願票は履歴書のようなものです。自分の情報を書いていくだけなので、そこまで苦労はしないかと思います。
②の研究計画書。これがかなり大変です。研究計画を立てたことのない方は一般向けの書籍などを一冊用意してみると良いかと思います。
この後の選考プロセスはもちろん、入学した後の研究もこの計画書に沿って行われていくことになるので、よくよく考えて作成した方がいいです。
特に放送大学は「遠隔での指導」が前提なので、遠隔での実現可能性というのも考慮した方がいいと思います。二次試験の面接の際にその辺りを詳しく確認されました。
ちなみに、私は幸いながら研究者をやっている友人がいたので、計画書を添削してもらうことができました。「タイトルは具体的な研究内容が想像できる詳細なものにすること」、計画書は「必ずパラグラフライティングで書くこと」というアドバイスをもらった覚えがあります。
③の志望理由書には、下記の内容を記載するよう指示があります。
研究題目(研究計画書に記載したもの)を決めた理由と、1で選んだプログラムを希望する理由を具体的に記入してください。(700字程度)例えば、「現在の職務との関連、あるいは社会生活の中で、研究題目に関わる問題を深く考えるに至った経緯、選択したプログラムが研究題目を研究するためにふさわしいと考えた理由」などを具体的に記入してください。
放送大学HPより引用
700字なので、書いてみるとあっという間で全然盛り込めません。
社会人経験のある方は現職と研究の関係性に触れることも良いと思いますが、個人的には過去のことよりも未来のこと(=入ってから何がしたくて、それが社会のためにどう役立つと考えているのか)に重点をおいて作成するのが良いのではと思います。
審査員が知りたいのは志願者の「自己紹介」ではなく「入ってからの何をしたいか」です。過去のことは「入りたいと思ったきっかけ」程度に留めておくとして、入ってからのことをしっかりと盛り込みましょう!
④〜⑥の中には書類の取り寄せに時間がかかる場合もあるので、早めに揃えておくことをお勧めします。
ちなみに、出願票に「語学力」について問う部分があり、証明書がある場合は任意で提出できます。私はTOEICの試験結果を同封しました。
プログラムによっては英語の試験がないので、語学力をPRしたい方は証明書を用意しておきましょう。
出願について書いた記事はこちら↓
修士全科生(選考プロセス〜合格発表まで)
無事出願が完了したら、いよいよ選考プロセスの始まりです。
選考は書類選考、一次試験(筆記)と二次試験(Zoom面接)とあり長丁場です。
2023年度のスケジュールは以下のような感じでした。
①出願:8月下旬
②書類選考結果通知:9月中旬
③一次試験(筆記試験):10月1日(最寄の学習センターにて)
④一次試験結果発送:10月26日
⑤二次試験:11月12日(Zoom面接)
⑥最終結果発送:12月16日
①の一次試験は、受験するプログラムによって内容が異なります(英語の有無や比重など)。人間発達プログラムは800字の小論文が1問と専門用語の説明問題が4問出題されました。朝の集合時間は8時ごろでしたが、自宅から最寄りの学習センターまでが遠いので前泊して受験しました。
一次試験について書いた記事はこちら
一次試験が終わるといよいよ二次試験の面接があります。コロナ前は千葉の本校で行っていたそうなのですが、今年はZoomを使ったオンライン面接でした。
面接の前にZoomのトライアルが実施されるので、そこで接続の確認ができます。私が参加した時他にも何人かの人が接続確認をしていたのですが、ある受験生が「やり方がわからない、大学が悪い!」とごねているのを見ました。
「その様子では、入学しても遠隔指導を受けられないと思いますよ」とスタッフの方に言われていたので、もしかしたらそういう情報は面接まで引き継がれてしまうのかもしれません。真偽は定かではありませんが。
二次試験の詳しい内容はこちら↓
二次試験が終わると、約一ヶ月後に最終結果が郵送されてきます。事前の案内には「12月23日発表」とあったので日付指定で届くのかな?と思っていましたが、実際は「12月23日発送」でした。
書留で送られてくるので土日も配達がありますが、住んでいる地域によって到着日はまちまちのようです。私の場合は遠方なので中2日ほどかかりました。
合格発表についての記事はこちら
修士全科生(合格発表〜)
合格発表の通知には、今後の手続きやスケジュールについての案内が同封されています。履修登録や入学金・授業料の支払い、4月以降に行われる入学オリエンテーションについて、などです。自分の担当指導教員が誰になるのかは、入学オリエンテーションで発表されるそうです。
2月末ごろに後期履修科目の合否通知が郵送されてきます。その頃、1年間でかかった学費が記載されている書類ももらえるそうです。それをもって給付金の窓口に行くことで、支払った学費が自治体から払い戻していただけるようです。
まとめ
長くなりましたが、放送大学大学院で学んだ1年間と、受験の体験談をまとめてみました。
一般的に、働きながら勉強するなんて大変、というイメージがあるためか、いろんな方から「大変そう」と言われまくった一年でした。が、個人的には、辛かった経験に一本の筋が通った気がして、大変というより充実感でいっぱいの一年でした。
元々勉強が好きなのもあると思いますが、仕事や育児で追われる中の「趣味や息抜き」という感じで、勉強が私を救ってくれる部分も多かったなあと思います。
あと2ヶ月ほどで、修士全科生としての2年間が始まります。研究活動って実際どんな感じなのか。教科書の勉強しかしたことのない自分に、研究ができるのか。不安なこともたくさんありますが、楽しみながら一生懸命頑張りたいと思います!
おまけ
余談ですが。放送大学の修士課程を終えたら、奨学金を申請して海外の大学院に留学したいと思っています。もちろん、Momoも連れていくつもりです。
現段階で1番の目標としている奨学金にGDPの足切りがあるので、この1年間はとにかく全科目でマルAをとることを目標に取り組みました。
社会人が、特に一家の大黒柱が学業に戻るというのはなかなかない選択だと思います。そんなヘンテコな母ちゃんを応援して、いっぱいいっぱいになってる時も励ましてくれるMomoには本当に感謝しています。それと、研究者の見本としていろんなことを教えてくれる親友にも。
たくさんの人に支えてもらって、ここまでやってくることができました。これからもチャレンジングなこと盛りだくさんだと思いますが、せっかく波瀾万丈で過ごしてきた人生、もっと面白くしてやるぞ!という気持ちです。
この記事がどなたかの参考になりますように。
では。
コメント
海外の大学院で博士…それだけで貴方様がいかに活動力があるかがわかりました。素晴らしいと思います。頑張ってください。